もしも私が絵を描かなかったら
朝はきっかり六時に起きる。
身支度は化粧まですませ
朝食をゆっくり食べて出発する。
あらかじめダウンロードしておいた脱出ゲームアプリを起動するか、
図書館で借りてきた本を開いて
到着するまで時間をつぶす。
やることもないので遊びに行く。
出かけた先でおいしいものをたらふく食べて
お互い写真を撮りあう。
盛れたのどうだの確認してインスタあたりに投稿する。
交際費が必要なので働かざるを得ない。
家に帰ってもゲームしかすることがないので
空いた時間にバイトを詰め込む。
夜、疲れて帰宅しても何の問題もない。
やることはない。読書程度。
一日が終わったので寝る。
私が絵を描かなかったら
自分の心に翻弄されることはないだろう。
私が絵を描かなかったら
どこか退屈だったろう。